【イワシ漁と無農薬の甘夏みかん栽培】



 
杉本実
親から続いている「イワシ漁」と「甘夏みかん栽培」
を継ぎ海に陸にと奔走している。コミックバンド
「やうちブラザーズ」のメンバーの一人でもある。


人に毒を盛られた者は
決して他人に毒を盛らない
Those who are poisoned by others
will never poisone others.

 
これは杉本実さんの母、故杉本栄子さんの言葉だ。

実さんの両親は水俣病発生後、イワシ漁が中心だった生活が変わった。
陸に上がることを強いられた、漁師でもあり水俣病患者の実さんの両親。
そして、農協主導の元、新たな生活の糧として甘夏みかんの栽培を始めた。
当時は20回の薬剤散布が奨励されている中、散布中にみかん山で倒れた。
そして、無農薬の甘夏みかん栽培を始めた。
「被害者が加害者になりたくない。農薬を使うくらいだったら、
みかんや山を荒らしてもいい」という言葉は、私たち「からたち」の原点でもある。


実さんの両親は亡くなられたが、今は実さんがイワシ漁の舵をにぎる。
そして、漁が終わると、両親が残した無農薬の甘夏みかん園に向かい、
草刈りをしたり、商品にならないヒジキと糖蜜で作った、
自家製天恵緑汁を500倍に薄め散布している。
ヒジキに含まれているミネラル分がみかんを美味しくしているようだ。

「海と山は恋人同士」と実さんの母は語っていた。
海を守るためにも、山で農薬を使わない。
イワシ漁(無添加で加工)をしながら、無農薬のみかん作りを続けている。

(文・大澤菜穂子)



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